界王神様と大界王神様の関係を考察する

キャラクター
引用元 ドラゴンボール 集英社

いよいよドラゴンボールの最新アニメ「ドラゴンボールDAIMA」が始まりましたね。
第1話の様子から見るにブウ編終了直後だということもあり、どうやら「ドラゴンボール超」とは世界線の違うパラレルワールド的な展開であることも予想されています。
本記事執筆時点では第4話まで放送されていますが、ドラゴンボールGT序盤のような冒険譚的展開で、これはこれで楽しめる内容になっています。

さて、そんなドラゴンボールDAIMAですが、主要なキャラクターは現在のところ子どもになってしまった悟空と同じく子供になってしまった界王神です。
他にもグロリアという新キャラクターが二人を魔界に案内する形で同行していますが、現時点では敵か味方か分からない謎の人物という扱いとなっています。

このブログでは、原作ドラゴンボールを中心に考察をしていますので、これ以上ドラゴンボールDAIMAを掘り下げることはしませんが、界王神は色々と考察しがいのあるキャラクターでもあります。
下記の記事でも無能神と呼ばれがちな界王神について考察をしていますので、関心のある方は是非ご一読ください。

さて、今回は界王神とその上司的な存在である大界王神の関係について考察していきたいと思います。
ドラゴンボールの世界では、ひとつの星にデンデのような神様がいて、その上に界王様、大界王様、界王神様、大界王神様と次々と偉い人が現れてきます。
界王様も「自分は全宇宙で一番偉い」などと発言していたのが、実際には北銀河だけしか管轄していないという強さだけではなく、偉さにおいてもインフレを起こす展開となっていました。

そんな界王神様もインフレの被害者の一人で、当初は全宇宙を支配する神様という触れ込みだったのに、実は界王神は東の宇宙しか管轄しておらず、同ランクに北と西、南の界王神、そして最初に述べた大界王神という上司的な存在がいたことが明かされます。
「いた」という過去形なのは、ドラゴンボールの読者なら知っての通り、大界王神はかつてブウとの闘いにおいて、ブウに吸収されてしまったからです。
その時に、北と西、南の界王神もブウに殺されてしまったようですので、実質的に界王神は東の界王神しかいないわけですから、現時点においては全宇宙を支配しているといっても、間違いではないかもしれません。

ここで、ドラゴンボールの神の偉さの序列と、支配領域についてまとめたいと思います。

・神様:地球などの惑星単位
・界王様:銀河系(天の川銀河?)の一区画(東西南北に4人の界王様が存在)
・大界王様:銀河系全体
・界王神様:宇宙の一区画(東西南北に4人の界王神様が存在)
・大界王神様:全宇宙
※ブウとの闘い以降は、実質的に東の界王神が全宇宙を担当
・閻魔大王様:あの世

閻魔大王だけインフレが起きずに、あの世を担当できているのは異例ですね。ラディッツより少し強い程度の強さだと思われるのに、よく務まっているものです。
通常はあの世に行ったら、肉体は持たず魂だけになるので大丈夫なのかもしれません。

さて、東の界王神にとって幸か不幸かブウとの闘いで上司と同僚が同時に無くなってしまったため、実質的に全宇宙のトップに立つことができたわけですが、ドラゴンボール超においては、実は界王神が担当する宇宙は実は12存在しており、悟空たちの住む宇宙は第7宇宙だという設定が追加されました。
そして、それぞれの宇宙には界王神と破壊神がセットで管理をすることになっているようです。
また、12の宇宙すべてを作りだしたり、消したりできる究極の神様である全王とういものまで現れる始末です。

先に述べたように、このブログは原作中心に考察を進めているため、本来であればドラゴンボール超は対象外なのですが、界王神と大界王神の関係性を考えるうえで興味深い設定であるので、あえて考察の対象に入れてみたいと思います。

まず、ドラゴンボール超において不思議なのは、界王神と破壊神の関係性です。
破壊神ビルスが初登場した際に、界王神は異常にビルスを恐れていました。
このことから、偉さの序列的には界王神より破壊神の方が偉いのだと思われていました。
しかし、その後宇宙が全部で12存在していることが判明し、それぞれの宇宙には界王神と破壊神がセットで存在していることが分かり、状況が変わってきます。
どうやら、破壊神と界王神は対等の関係らしく、どちらかが死ぬともう片方も死んでしまうという、単純に偉さだけではなく、存在そのものが対等で一心同体のような関係にあるようなのです。

そうだとすると、なぜ東の界王神(ドラゴンボール超ではシンという名前が付けられました。)だけが、これほどまで破壊神に頭が上がらないのでしょうか?

この謎を解くカギが、なぜか第7宇宙だけ界王神の上に大界王神という存在がいるのかという疑問と関係があると考察します。
この謎については、ドラゴンボール超が後付けで第7宇宙や破壊神という設定を作ってしまったがためにできてしまった矛盾ととらえ、無視している人も多いと思いますが、実は論理的に解釈をすることが可能なのです。

それは、本来大界王神こそが第7宇宙の界王神であり、東西南北の4人の界王神は界王神見習いだったのではないかという解釈です。
本来の界王神である大界王神は何らかの理由で、界王神の後継者を急遽決める必要が出きたため、自身は大界王神という名称を名乗り、後継者候補として東西南北の界王神を4人選んだのではないでしょうか?
4人の界王神が見習い状態のまま大界王神がブウに吸収されてしまい、ブウ戦で生き残った東の界王神シンが界王神として、そのまま就任したとしたら、シンが界王神としていまいち頼りない理由の説明がつきます。

大界王神が4人の界王神候補を立てていた理由としては、ブウ戦で自分が命を落とす可能性があることを考え、その場合でもすぐに4人の界王神のいずれかが正式な界王神になれるようにしていたというようなことが考えられるでしょう。
本来であれば、こうした宇宙全体に危険を及ぼすような事態には破壊神が対処する必要があるはずですが、運悪くビルスが長期の眠りに入っていたため、界王神が闘わなくてはいけなくなったのだと思われます。

本来であれば、こうした宇宙全体に危険を及ぼすような事態には破壊神が対処するはずですが、当時ビルスは長い眠りについていました。そのため現場対応は界王神側が引き受けるしかなく、大界王神と四人の界王神が魔人ブウに挑みました。
結果はご存じのとおりで、南の界王神は取り込まれ、大界王神も取り込まれ、北と西は命を落とし、生き残ったのは東の界王神シンだけでした。ここで第7宇宙は、「まとめ役(大界王神)が不在」「界王神の人数が一気に減る」という二重の欠けを抱えることになったのです。

この経緯を踏まえると、シンが後年の物語で慎重に振る舞う理由は単純です。
彼は唯一残った界王神であり、かつて自分の目の前で仲間と上司を失っています。無闇に前へ出ないのは、気が弱いからではありません。自分が倒れれば、もう誰も代われないという現実を知っているからです。
さらに『超』で明かされた「界王神と破壊神の命がつながっている」という設定を重ねると、シンが慎重になる事情はよりはっきりします。自分が倒れればビルスも道連れになる。
だからこそ、悟空たちに託し、自分は全体の収拾と判断を優先します。これは逃げ腰ではなく、第7宇宙の穴を埋めるための務めだと読み取れます。

ここまで時系列で並べると、「シンだけが破壊神に頭が上がらない」という印象も自然に説明できます。シンは正当な手続きを経て界王神になったのではなく、たまたまブウ戦で生き残ったため、結果的に界王神になることができた。
ならば、正当な手続きを経て破壊神になっているはずのビルスより自分は下だという意識があってもおかしくありません。

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