ナッパの戦闘力は一般的には4,000とされています。
多くの戦闘力考察サイトやYoutube動画などで、この4,000という数字が使われています。
しかし実はこの4,000という数字は原作内には一度も出てきていません。というより、ナッパの具体的な戦闘力数は原作内では明示されていないのです。
では、それなのになぜ4,000という数字がナッパの戦闘力として多くの人に認識されているのでしょうか?
この数字の初出は週刊少年ジャンプの付録として掲載されていたキャラクターごとの戦闘力数のようです。
ジャンプに掲載されていたことから、この数字がナッパの戦闘力として公式扱いされているのです。
しかし、原作に描かれている描写を丁寧に読むとナッパの戦闘力4,000という数字に疑問を感じるシーンがたくさんあることに気づきます。
そしてナッパの戦闘力は4,000などではなく、6,000~7,000程度はないとおかしいと考えられる描写がたくさんあります。
今回はそれを詳しく説明していきたいと思います。
ナッパの戦闘力が4,000とされる理由
ナッパの戦闘力が4,000ではありえないことを証明していく前に、まずはなぜナッパの戦闘力が4,000とされ、それを多くの人が受け入れているのかということから考えていきたいと思います。
ナッパの戦闘力が4,000だと主張をする人の意見を集約すると、主に以下の3つの理由になるようです。
- 悟空の戦闘力5,000にびびっていた
- 戦闘力2,800の魔閃光をはじいて腕がしびれた
- ピッコロやクリリン、悟飯がそこそこ戦えていた
ではひとつずつ検証していきましょう。
まず、ひとつめの「悟空の戦闘力5,000にびびっていた」という意見に関してですが、たしかにナッパは悟空の接近時、ベジータから戦闘力5,000のやつが近づいてきていることを知らされ動揺しています。
しかし5,000という数字に驚いたから、それよりもナッパの戦闘力は低いというのは短絡的な発想です。
ベジータのモノローグを見ると、以下のようにあります。
「たしかに以前のカカロットからは考えられん数値だ…」
1年前の悟空の戦闘力と比較してありえない数値だと驚いているわけです。
同様にナッパが6,000~7,000の戦闘力だったとしても、1年前に1,000程度しかなかった悟空が最低でも戦闘力5,000という自分に肉薄する数値を知らされたから驚いたとしても何も不自然ではありません。
つまり。5,000という数値に驚いたから、ナッパの戦闘力は4,000というのは成り立たないことになります。
次はふたつめの「戦闘力2,800の魔閃光をはじいて腕がしびれた」を検証しましょう。
ナッパは悟飯の魔閃光をすでで弾いた時に、以下のセリフをはいています。
2,800の魔閃光を弾いて腕がしびれるという事は、ナッパの戦闘力は4,000くらいが妥当ということでしょう。
しかし、これも短絡的な発想と言わざるをえません。
2,800の魔閃光を弾いたら4,000ならしびれるが6,000ならしびれないという根拠が希薄です。
ではこの時と似たような状況と比較して検証してみましょう。
こちらはラディッツ戦で悟空のかめはめ波をラディッツが素手で受け止めたシーンです。
この時もラディッツの腕がしびれています。
この時の悟空のかめはめ波の戦闘力は924、ラディッツの戦闘力は1,500とされています。
この事から戦闘力が約1.6倍離れていても、気功波をすでで受け止めると腕がしびれています。
そしてナッパの戦闘力が4,000だった場合の魔閃光との戦闘力差は約1.4倍、6,000~7,000とした場合は約2.1倍~2.5倍といったところです。
このシーンだけを見るとナッパが4,000でも通りそうです。
ではさらにもう一つのシーンを見てみましょう。
こちらはナメック星で悟空がジースのクラッシャーボールを弾き飛ばしたシーンです。
この時の悟空の戦闘力は推測値で60,000、ジースは40,000~50,000の間と思われますが、おそらく40,000強といったところが妥当なのではないでしょうか。
とすると、戦闘力差は約1.5倍になり、先ほどの理屈で行くならこの時の悟空の腕もしびれていないとおかしくなります。
しかし、悟空は涼しい顔でバータの後ろに回っています。
このことから考えると、一概に腕がしびれたから戦闘力が近いはずだという事はいえないようです。
では、この両者の違いはなにかというと、おそらく力任せに弾いたたり受け止めたりしたかどうかの差ではないかと思います。
ナッパは気合の咆哮とともに拳で魔閃光を弾いています。ラディッツも悟空のかめはめ波が追尾してくるのに気づいてとっさに素手で受け止めています。
それに対して悟空はこの時瞬間的に気を高めるという技術を披露しており、クラッシャーボールを弾いた左腕にも気が込められていたのではないかと考えられます。
おそらくナッパも腕に気を込めて魔閃光を弾けば腕がしびれることはなかったと思われますが、悟飯に対して力の差を見せつけるためにあえて拳の腕力だけで弾き飛ばしたのでしょう。
さて、それでは最後の「ピッコロやクリリン、悟飯がそこそこ戦えていた」という意見を検証していきたいと思います。
たしかにピッコロやクリリン、悟飯はベジータからみても相当にてこずらせていましたし、ナッパにダメージを与えてもいました。
これがもしナッパが戦闘力6,000~7,000もあったら、ここまで戦えているはずがないという意見です。
しかし、本当にピッコロやクリリン、悟飯はナッパと本当に「そこそこ」戦えていたのでしょうか?
原作をしっかりと読めばわかることですが、実はナッパはピッコロたちと本気で戦わない(戦えない)理由があったのです。そのため、ナッパはいわゆるナメプをしながら戦っていました。
ピッコロたちは、そんなナメプをしているナッパのすきをついて、連係プレーでかろうじて戦えていたにすぎません。
ではなぜナッパはナメプをしていたのでしょうか?
それには以下の2つの理由があります。
- ピッコロだけは殺すわけにはいかなかった
- できるだけ戦闘を長引かせて楽しみたかった
ひとつ目のピッコロを殺せない理由は簡単です。
ベジータの命令でドラゴンボールのことを聞き出すためにピッコロだけは殺すなと言われているからです。
必然的にナッパは手加減せざるを得なかったのです。
そして「できるだけ戦闘を楽しみたかった」という点に関しては、ナッパがベジータのいうことを聞かずに悟飯に襲い掛かろうとした場面のセリフに表れています。
この「俺はいまあそぶぞ!!!」のセリフをみてわかる通り、ナッパにとってこの戦いは真剣勝負などではなく弱いものを徐々にいたぶって楽しむための遊びでしかないわけです。
ナッパがその気になればクリリンや悟飯はおろかピッコロでさえ一瞬で殺すことができたはずです。
その証拠にピッコロもクリリンもナッパが少し本気を出しただけで戦闘不能になっています。
ピッコロはナッパのひじうち一発で気絶。クリリンはナッパのエネルギー波の爆風だけで立ち上がることができなくなってしまいました。
これほどの力の差があればナッパとそこそこ戦えていたのは、ピッコロたちの実力ではないことは明らかです。
ナッパの戦闘力が6,000以上の理由
ここまででナッパの戦闘力が4,000ではありえない理由と4,000だと考えられている根拠を否定してきました。
次はナッパの戦闘力が最低でも6,000以上はあると考えられる理由について述べていきたいと思います。
その根拠は主に次の3つになります。
- ベジータの発言
- 悟空とナッパの戦闘描写
- 悟空のナッパに対する評価の変化
ひとつずつ詳しく説明していきます。
まずベジータの発言ですが、根拠として考えられるものはいくつかあります。
ひとつ目は戦闘力5,000の人間が近づいていることを認知した際のベジータのセリフです。
この時ベジータは、この戦闘力の持ち主が悟空かはわからないが、ナッパにピッコロたちを殺すことを命じています。
ポイントは「3匹そろって手をくまれるとやっかいなことになりそうだ」だという発言です。
これはつまり、戦闘力5,000の悟空だけならナッパ一人でもなんとかなるが、これにピッコロ、悟飯が手を組まれると面倒なことになるということを示唆しているともとれます。
そして次は以下のシーンです。
悟空とナッパが戦闘を開始し、一方的に悟空がにボコられてナッパが激高した後にベジータが忠告した際のセリフです。
この時の悟空の戦闘力は8,000です。もちろん8,000の戦闘力全開で戦っていたわけではないでしょうが、もしナッパの戦闘力が4,000しかなかったら、ベジータは「冷静に判断すればとらえられんあいてではない」などと言うでしょうか?
ドラゴンボールの世界において戦闘力が倍も離れていたら、もう絶望的な状況で普通に戦って勝てる相手ではありません。
それが冷静になって実力を出しさえすれば、戦えるはずだとベジータは言っているのです。
これはナッパの戦闘力が最低でも6,000、下手したら7,000以上はないとおかしいことになります。
では次に「悟空とナッパの戦闘描写」を検証していきましょう。
ベジータに諫められるまでのナッパは悟空に一方的にやられます。ヤムチャのうらみ、チャオズのうらみ、天津飯のうらみ、ピッコロのうらみとナッパをぼこぼこにするシーンは印象的でしたね。
しかしナッパには悟空の攻撃がそれほど効いていません。
戦闘が始まる前は悟空もナッパのことを「いばってたわりにはたいしたことない」と言っていましたが、戦いが進行するごとに「とんでもねえタフさ」「ずいぶんましになった」「このままじゃきりがなさそう」と徐々に評価が上がっていきます。
冷静になってからのナッパは悟空のスピードをとらえることもでき、悟空と攻撃の応酬をすることもできています。
もしナッパが本当に戦闘力4,000だったとしたら、こんな芸当はとてもできないでしょう。
この時の悟空はナッパに対して本気を出していなかった。ナメプをしていたからだと考える人もいるかもしれません。
たしかに悟空は戦闘力8,000の全力ではなかったはずです。しかし、悟空には全力全開でなかったとしても意図的にナッパをいたぶって遊ぼうとかそういう考えはなかったはずです。
それが「とんでもねえタフさなのはさすがだ」と言った時の意外そうな表情に表れています。
リクームを一撃で気絶させたように、この時の悟空は恨みラッシュでナッパをノックダウンさせた気でいたのでしょう。
ところが思ったほどダメージを与えておらずナッパはぴんぴんしている。なので、予想外にこいつ強いぞという反応になったのだと思われます。
以上、これまで見てきたように、ナッパの戦闘力は少なくとも6,000~7,000はないとおかしい描写がたくさんあります。
逆に戦闘力4,000とする論拠にとぼしく、単に公式の付録や大全集にそのように記載されているからというだけにしかすぎません。
これでナッパの戦闘力は4,000という通説は完全否定され、6,000~7,000説を証明できたと考えます。
コメント
同感です。普通に見れば分かりますよね。
1ファンが否定して「証明できた」と言っても残念ながら公式は公式なんですよね…
はずはずの浅い希望論で草
自分は逆にナッパの戦闘力は8000以上と考えています
理由はベジータがカカロットの戦闘力が8000以上と知りながらも
ナッパに冷静になればとらえられない相手じゃないと、アドバイスしたからです
8000未満ならこんなアドバイスはしないと思います
またナッパが8000未満なら8000以上の悟空に戦いを挑むとは思いません
勝ち目などないわけですから
ハゲの挨拶がわりの本気殴りをスタスタとかわしたり、ハゲの本気エネルギー波を気合いだけで消し飛ばしたり、ハゲの頭の上に乗ったり、悟空は終始舐めプしていた。
これは両者の戦闘力が倍の開き(悟空8000とハゲ4000)であるのことの描写です。
そしてベジータのセリフはナッパを落ち着かせるためだけに発しただけで、そのことは「単細胞のバカが、このままでは俺の出番が回ってきそうだ」と、ナッパを既に見限っている次のコマで明白です。
つまりハゲはカラダが頑丈なだけで戦闘力はやはり4000程度と大した事はないです。
2800以上18000以下なのは確か