ヤジロベーという才能とポテンシャルの塊

キャラクター
引用元 ドラゴンボール 集英社

ドラゴンボールにおいてヤジロベーはかなり異質なキャラクターです。
ヤムチャや天津飯、クリリンたちと同様に、登場した当初は悟空と敵対するキャラとして描かれていながら、その後に仲間になります。
しかし、ヤジロベーは自分は危ない目に遭いたくないという思いが強く、積極的に戦闘には参加しません。

実際、ピッコロ大魔王戦では相手がピッコロだと知るや悟空にドラゴンボールを譲って、その場を離れたり、サイヤ人襲来編でもクリリンたちと一緒に神様の下で修業をしたにも関わらず、すぐには闘いの場には現れませんでした。
そんな一見、臆病で頼りない印象を抱いてしまうヤジロベーですが、戦闘の要所要所で大活躍をするのです。
この記事では、そんなヤジロベーの活躍と実はヤジロベーは、クリリンや天津飯にも負けない戦士としてのポテンシャルを秘めているのでは?という説について考察をしていきたいと思います。

ヤジロベーの性格と行動原理

ヤジロベーの性格は一言で表すと「自由奔放」です。彼は、地球の存亡がかかるような戦いの場面でも、「面倒くさい」と言って戦いに参加しようとしなかったり、仙豆を届ける重要な役割があっても渋々行う姿が見られます。

彼の行動原理は「生き残ること」に強く根ざしており、自己保存が第一というリアリスト的な要素が際立っています。悟空たちが自己犠牲的なヒーローであるのに対して、ヤジロベーは自らの命を第一に考え、無駄な戦いを避ける姿勢を貫いています。このリアリズムこそ、ヤジロベーのキャラクターが持つ独自の魅力であり、彼がドラゴンボールの世界において異質な存在感を放つ理由でもあります。

初登場時の驚異的な戦闘力

ヤジロベーの初登場は、孫悟空がピッコロ大魔王の手下であるシンバルと戦っている場面です。このシーンで、ヤジロベーはただのコメディキャラクターではないことを強く印象づけます。
ヤジロベーは、ピッコロ大魔王の部下であるシンバルを一瞬で切り裂き、その後シンバルの肉を平然と食べるという大胆な行動を見せました。

引用元 ドラゴンボール 集英社

この時点で、彼が単なる脇役ではなく、優れた戦闘能力を持っていることが明確になりました。シンバルは決して弱い敵ではありません。
ピッコロ大魔王の部下として強大な力を持っているにもかかわらず、ヤジロベーは刀一本であっさりと彼を倒しました。
これは、ヤジロベーが持つ並外れた身体能力と戦闘センスを示す重要なシーンです。彼の無鉄砲な行動や豪快な性格に隠れてしまいがちですが、この瞬間こそ、ヤジロベーの才能が開花する瞬間だったと言えるでしょう。

また、ヤジロベーの戦闘スタイルは非常に直感的であり、特別な修行や技術を使わずとも、高いレベルの戦闘力を発揮している点も注目です。ヤジロベーは、剣術のセンスを天賦の才として持っており、これに加えて極めて高い身体能力を備えています。特に、彼の俊敏さや力強さは、戦士としてのポテンシャルの高さを感じさせます。

自然体での強さから垣間見える潜在能力の高さ

ヤジロベーの潜在能力について考える際、彼が意識して努力を積んでいないにもかかわらず、ある程度の実力を持っている点に注目すべきです。
彼は、悟空やクリリンのように厳しい修行を行っていないにもかかわらず、初登場時には悟空と互角に戦うほどの力を持っていました。

引用元 ドラゴンボール 集英社

通常、ドラゴンボールのキャラクターは修行を重ねることで強くなりますが、ヤジロベーはその努力をほとんど見せません。
彼はカリン塔に住んでいる間も、修行をさぼりがちな一面が描かれています。しかし、彼の戦闘力や身体能力は、何もしていない状態でも高いレベルにありました。これは、彼が持つ潜在的な才能の高さを示す一つの要素です。

ヤジロベーの強さは、他のキャラクターたちのように特訓や修行によるものではなく、彼自身の本能的な部分に根ざしていると言えます。
つまり、彼の強さは「自然体の強さ」であり、鍛錬を積まなくても発揮される純粋な身体能力や戦闘センスがあるのです。これは、彼がもっと真剣に戦いに臨んだり、修行を積んだ場合、どれほど強くなる可能性があるのかという点に関して大きな可能性を秘めていると言えます。

悟空がピンチの場面にかけつけるヤジロベー

前述したようにヤジロベーは勝ち目が薄い戦いには積極的に参加せず、仙豆を届けたり、悟空をカリン塔まで運んだりと、支援役として活躍をすることが多いイメージのキャラクターです。

しかし、そんなヤジロベーですが、闘いの場でも活躍を見せたことがあるのです。
その最大の功績はなんといってもベジータとの闘いでしょう。
この時もヤジロベーは、クリリンたち一緒に神様の下で修業をしてそれなりの強さを身につけていたはずなのですが、当初からの闘いの場にはありませんでした。
ですが、悟空とベジータの一騎打ちの闘いの時には近くにいたからというのもありますが、すぐ近くまでかけつけて二人の闘いを見守っていました。
そして、ベジータが大猿に変身してしまい、絶望的な状況の中、なんとヤジロベーがベジータの尻尾を切断して元の人間の姿に戻すことに成功したのです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

クリリンと悟飯の連携プレーによる気円斬が見切られて、大猿ベジータによけられた直後だっただけに、なおさらヤジロベーの活躍が光った場面でしたね。

カリン塔に居住後はサポート役に

サイヤ人との闘い以降、ヤジロベーはカリン塔でカリン様と共に生活し、仙豆を届けるという役割を担っています。
戦士としての戦闘力や積極的な参加は少ないものの、仙豆という重要アイテムを悟空たちに届けることで、戦力外になって以降も何度も登場しています。(元々戦力として役に立ったことがあったか?という疑問もありますが、)。
仙豆は回復力を持つアイテムとして、ドラゴンボールの戦闘において欠かせない存在です。ヤジロベーがいなければ、仙豆を届ける役目を担うキャラクターもおらず、悟空たちの勝利も危うかったかもしれません。

ヤジロベーは、『ドラゴンボール』という物語の中で、自己中心的で戦闘を避ける脇役のように見えるかもしれません。
しかし、彼の存在は物語のバランスを取り、視聴者に共感を与え、時には物語の行方を大きく左右する重要な役割を果たしています。ミスターサタンもそうですが、彼のようなリアリスト的なキャラクターがいることで、ドラゴンボールは単なるバトル漫画にとどまらず、より多面的で奥行きのあるものとなっていると言えるでしょう。

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