今回は、ドラゴンボールという物語における「最初のクライマックス」にして、作品の方向性を決定づけたエピソード、原作コミックス第20話「神龍(シェンロン)への願い!!」を徹底考察します。
「ギャルのパンティおくれーーーっ!!!!!」
あまりにも有名なこのセリフ。 多くのファンはこれを「鳥山明先生らしい最高の下ネタオチ」として記憶しているでしょう。もちろん、それは間違いではありません。
しかし、この第20話を丁寧に深掘りしていくと、そこには単なるギャグでは片付けられない物語構成の妙や、ドラゴンボールという世界のルール設定が提示されていることに気づかされます。
今回は、あらすじを詳細に振り返りつつ、その裏に隠された計算し尽くされた演出を解説していきたいと思います。
神龍登場からのスタート
第20話の冒頭は前話からの続きで、神龍の登場から始まります。
夜空を切り裂く稲妻。立ち昇る光の柱。そして現れる巨大な龍。 初めて描かれた神龍のビジュアルは、コミカルなピラフ一味の世界観とは一線を画す、圧倒的な威圧感を持っていました。
その異変は、城内の監獄に閉じ込められている悟空たちにも伝わっていた。小窓から見える空の異常さに、ブルマは「神龍がでてきちゃうわ!!」と悲鳴をあげる。
ヤムチャとプーアルも、世界がピラフのものになってしまう恐怖に震え上がります。
雷鳴と共に現れた神龍は、ピラフ城を遥かに凌ぐ巨体をくねらせ、燃えるような赤い目で下界を見下ろす。その圧倒的な迫力に、ピラフとその部下(シュウとマイ)は恐怖と歓喜で震えていました。
世界か、パンティか
外では、神龍が低い声でピラフに問いかけていた。 「さあ願いをいえ……どんな願いもひとつだけかなえてやろう……」

ピラフは緊張した面持ちで、神龍に向かって願いを言い始めます。
「わ、わたしは世界を………」
ピラフの野望達成まで、あとコンマ数秒。誰しもがあきらめかけていた中、ウーロンだけがとっさに思いつきます。
「あいつよりさきに言ってしまえば」
ピラフがおそらく「…自分のものしたい」と言おうとしよりも早く、ウーロンが神龍に駆け寄り、冒頭のギャルのパンティが欲しいという願いを叫びます。
時が止まるピラフ一味。 次の瞬間、空からヒラヒラと舞い降りてきたのは、一枚の女性用下着。それがふわりとウーロンの頭にかぶさります。
神龍は「願いはかなえてやった」「ではさらばだ」という以降のドラゴンボールの願いをかなえるシーンの決めセリフを吐いて、7つのボールに戻ったと思ったら、そのまま空中高く上る光となって、世界の四方八方へと飛び去っていきました。
再び捕まる悟空たち
ヤムチャやブルマは、牢獄の中で喜び合っています。
ここで初めて、ブルマからドラゴンボールが願いをかなえると、再びバラバラになって世界中に散らばってしまうという設定が明かされます。
ドラゴンボールが再び世界中に散らばっていくのを、ぼーっと眺めるしかないピラフたち。空は再び静けさを取り戻すが、ピラフの怒りは頂点に達していました。 世界征服という壮大な野望を、「パンティ」というあまりに下らない願いで阻止されてしまったのです。
その後悟空たちは、怒り狂ったピラフによって再び捕まり、今度はさらに頑丈な鋼鉄製の牢獄に入れられてしまいます。
ヤムチャも言っている通り、あっけなく捕まり過ぎで情けない有様ですが、ウーロンによるとピラフの部下であるシュウとマイが光線銃を持っていたから仕方なかったとのこと。

ここは悟空だけなら何とかなったのかもしれませんが、もしかしたら外に出いてたウーロン、プーアルが人質になってしまい、無抵抗で捕まるしかなかったのかもしれません。
ピラフによると、悟空たちが捕まった部屋は天井ガラス張りになっていて、日中に照らす太陽によって牢獄の中はオーブントースターのようになってしまうとのこと。

まさに絶対絶命のピンチの状態ですが、次の回はいよいよ悟空が大猿に変身するサイヤ人設定の伏線回となります。


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