ナメック星人のチート能力と言えば同化でしょう。
なにせナメック星人同士で合体するだけで戦闘力は推定10倍近く(ネイル曰く数倍強くなる)は上がるのですから、マンガ的にも反則的な技だと言えるでしょう。
ナメック星人の同化、分離による戦闘力の増減については、下記の記事で考察していますので、興味のある方はご覧ください。
融合のデメリット
そんなチート級の能力である同化ですが、デメリットはあるのでしょうか?
まず考えられるのは、融合によって片方のナメック星人は物理的に消滅してしまう事があげられます。
元々、神様とピッコロ大魔王はひとりのナメック星人でしたが、分離をして二人に分かれていました。
しかし、後にピッコロが神様を吸収する形で融合することにより、元のひとりのナメック星人に戻っています。
これにより、神様というナメック星人はこの世から存在が消えてしまいました。
ピッコロはネイルと神様、2回同化をしていますので、同化の回数制限はなさそうです。
ということは理屈の上では、同化を繰り返せば、ナメック星人が存在している限りいくらでも戦闘力の高いナメック星人をつくることができることになります。
ドドリアと戦った3人のナメック星人も融合をすれば、もしかしたらドドリア、ザーボンくらいなら倒せたかもしれません。
しかし理屈の上ではそうだとしても、自分の存在を消すというのは、それなりの覚悟がないとできないことでしょう。
最初からドドリアの強さが分かっていたら、同化という手段をとっていたかもしれませんね。
同化することで人格や性格はどうなる?
物理的に自分の存在が消えてしまうという大きな代償が必要になる同化ですが、実はデメリットはそれだけではないのです。
ピッコロはネイルと同化する際に、以下のような拒絶をしています。
確かに、いくら同化をすることで何倍もの強さを手に入れることができたとしても、自分が自分でなくなってしまうとしたら、躊躇するのも理解できます。
そんなピッコロの拒絶反応に対してのネイルは以下のように答えます。
これが本当であるとしたら、同化のベースとなるナメック星人にとっては、デメリットがまったくないまさにチート技と言えるでしょう。
ピッコロはネイルにだまされてしまったのか?
しかし、このネイルの「人格はおまえのものだ」というのがまったくのでたらめで、ピッコロは実はネイルに騙されていたのでは?という疑惑があるのです。
その根拠となっているのは、ナメック星から地球に戻ってきたピッコロが最長老様が死んだ直後に発した以下の発言です。
ピッコロの人格が元のままだったとしたら、口が滑ってもこんなことは言わないでしょう。
もちろん、この時のピッコロは悟空との対戦、悟飯との共同生活を経て、ピッコロ大魔王だっところの性格とは変わっていることは確かです。
それでも、最長老「さま」とわざわざ継承をつけてまで弔いの言葉を口にするのはらしくありません。
同化による知識の継承
どうやら、同化というのは単純に戦闘力を大幅にアップさせるためだけの手段ではないことは確かなようです。
人格への影響を結論付けるのはまだ早いとしても、少なくとも同化で消滅するナメック星人が持っていた知識が同化のベースとなるナメック星人に受け継がれるのは間違いありません。
前述した最長老への言及だけではなく以下のシーンでも、その事実はうかがえます。
こちらは、ナメック星でピッコロがフリーザと戦闘を開始する前のシーンですが、デンデの名前をピッコロが口にしたことに対して、デンデ自身が驚いています。
後にデンデは、前述の最長老死去の際のピッコロの言葉でピッコロとネイルが同化したことを確信し、この時に自分の名前をピッコロが知っていた事にも合点がいったという流れでした。
つまり、同化をすることで知識が受け継がれるということはデンデのような子供のナメック星人ですら知っている常識だという事になります。
ということは、ネイルがそれを知らないわけがありませんので、知っていて伝えなかった可能性が高いのです。
知識の継承が人格に与える影響
しかし受け継がれるのはあくまで知識だけであって、「ネイルが人格を乗っ取った」「ピッコロはネイルに騙された」というのは言い過ぎという考え方もあるでしょう。
知識が受け継がれれば少なからず人格や性格に影響を与えるものです。
例えば不良の中学生に大人のこれまでの経験やそれによって得た知識が受け継がれたとしたら、その中学生が真面目になったり、おとなしくなったりと人格や性格に変化が表れたとしてもおかしくありません。
言ってみれば知識が受け継がれることで、経験の早期体験をしたようなものですね。
同様にピッコロだって悟空や悟飯との出会いという経験を経ることで、ピッコロ大魔王の頃から徐々に性格が変わっていっているのです。
それであれば、ネイルの知識が受け継がれたことで、人格や性格が変化したとしても不思議ではないのです。
つまりネイルはピッコロをだましたわけではないということになります。
しかし、知識の継承が行われること。それにより、人格や性格にも少なからず影響があることを伝えなかったのが、ネイルの意図的かどうかはともかくとして、ピッコロが想像していたものとは違っていたかもしれません。
肝心のピッコロは大きくアップした自身のパワーに浮かれていて、そんなことを顧みる余裕がありませんでしたが。
同化による知識の継承は限定的
ここまで考察してきたように、ナメック星人同士が同化をした場合、消滅する側の知識が相手側に受け継がれ、それが少なからず人格や性格にも影響を与えることが分かりました。
しかし、その知識の継承というのは、すべてが受け継がれるというわけではないようです。
それが分かるのは、ナメック星でピッコロが悟飯たちの元にたどり着いた際に発した以下のセリフからです。
ピッコロはフリーザを見て「ヤツがフリーザか」と初対面のような発言をしているのです。
何を当たり前のことをと感じる人もいるかもしれませんが、この時のピッコロはネイルと同化しているのです。
もし、ネイルの知識がピッコロに受け継がれているのだとしたら、フリーザと初対面ではありません。
ましてやフリーザは変身をして第二形態へと姿を変えています。
ネイルの知っているフリーザではないのですから、ネイルの知識が受け継がれているのであれば、その事への言及があってしかるべきでしょう。
ということは、知識の継承といっても、すべてが受け継がれるわけではないということになります。
これは推測にしかすぎませんが、おそらくはその人物の人格を形成する一部の知識、この場合は最長老やデンデなどのみが受け継がれているのでしょう。
それであれば、フリーザの容姿などの知識を同化後のピッコロが持っていなかったとしてもおかしくありません。
つまり、同化という技術は相手の人格を乗っとるどころか、一部の知識のみを相手に受け継がせることしかできないものだということになりますね。
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