なぜデンデは界王神の体力を回復させなかったのか?

設定の考察
引用元 ドラゴンボール 集英社

ネットなどでよくドラゴンボールの矛盾として取り上げられる定番のネタについて考えていきたいと思います。
ドラゴンボールのように長期連載をしていると、物語の設定が初期の頃と矛盾してしまうというのはよくあることですが、なかにはたったの一コマ内で矛盾が発生しているといわれるシーンがあります。

それがブウ編のラストで悟空が元気玉でブウを倒そうとするものの肝心の悟空の体力が足りなくなってしまい、押し負けそうになった際の界王神とデンデの会話のシーンです。
ここでデンデは悟空の体力を元に戻そうと考えて、以下のような発言をします。
「界王神様、ボクを悟空さんのところまでつれてってください。せめて体力を元にもどしてあげれば。」
デンデにはナメック星人の特技で、ケガの治療や体力を回復させることができます。
そのため、悟空の体力を元に戻すことができれば、悟空の元気玉でブウを倒せると考えたのでしょう。

しかし、それに対する界王神の返答はこちらです。
「すまない。今ので体力をつかってしまって。回復するまで瞬間移動はムリなのだ。」
よく言われることですが、肝心な時に役に立たない無能神ぶりを発揮していますね。
まあ、元気玉にエネルギーを送ったことで体力がなくなってしまったのですから、無理がないことではありますが、ブウ編を通して界王神が役に立ったのは、せいぜい悟飯を魔人ブウから殺されるの救い、避難させたことくらいですから、どうしても無能神ぶりが目立ってしまうんですよね。

それはさておき、上記のやり取りに関して、つっこみが入ってしまっているのです。
界王神の体力がないから瞬間移動ができない。
なのでデンデも悟空の体力を回復させることができない、という理屈なのですが、であればデンデが界王神の体力を回復させればいいのでは?という当たり前のつっこみですね。

もしくは、デンデが回復させずとも神龍に頼んで界王神の体力を回復させてデンデを悟空の元に連れていく、または神龍の願いでデンデを悟空の元に送ってもらい回復させるという手段もありますね。
神龍の願いは後ひとつ残っていたわけですから、この願いを使えば方法はいくらでもあったことになります。
実際には神龍の願いで悟空の体力を回復させていますし、結果的にはデンデが悟空の元に行く方法と比べて最も効率的だったとは思います。

しかし、この悟空の体力を回復させたいが、界王神の体力がないためデンデを送ることができないというやりとりのシュールさから、ドラゴンボールの矛盾としてネット上ではよくネタにされています。
ですが、このシーンはよく考えたら別に矛盾ではないですよね。
単にデンデと界王神が慌ていて気づかなかっただけという解釈で何もおかしくはありません。
神龍の願いで悟空の体力を回復させるというアイデアも、神龍が残りの願いはないのか?という問いかけから思いついたわけですから、とっさに機転が利かないというのはよくあることでしょう。

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