ダーブラとセルはどちらが強いのか?

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引用元 ドラゴンボール 集英社

ドラゴンボールにおける「どちらが強いか」という論争は、人造人間編を境に性質が一変しました。それまで戦士たちの強さを明快に語ってくれた「戦闘力」という数値が、この編からきれいに姿を消してしまったからです。スカウターという便利な計測器も、フリーザとともに退場しました。以降の強さは、断片的なセリフや戦闘描写から、読者が一つひとつ推理して組み立てるしかなくなりました。だからこそ、解釈の余地が大きく、ネット上でも延々と議論が続いています。

その中でも、とりわけ意見が割れる好テーマが「ダーブラとセル、どちらが強いのか」です。
議論の火種ははっきりしています。作中で悟空が、ダーブラの強さを「セルと同じくらい」と評したからです。

この一言を額面どおりに受け取れば、両者は互角ということになります。ところが、これがまったく一筋縄ではいきません。
なぜなら、比較対象であるはずの「セル」が、作中で何度も姿を変え、そのたびに強さを跳ね上げていった存在だからです。本記事では、この厄介な謎を、作中の発言と描写を一つも矛盾させないように解きほぐしていきたいと思います。

悟空はいつのセル基準にしていたか?

まず立ちはだかるのが、「セルと同じくらい」のセルが、いったいどの段階のセルなのか、という問題です。セルは第一形態(不完全体)から始まり、人造人間17号を吸収して第二形態へ、18号を吸収して完全体へと進化しました。
さらに、自爆して一度死んだあと、わずかに生き残った細胞からサイヤ人の特性で復活し、いわゆる「復活パワーアップセル」として、完全体すら超える強さで舞い戻ってきます。
つまり「セル」と一口に言っても、第一形態から復活完全体まで、その強さには天と地ほどの開きがあるのです。どのセルを基準に置くかで、ダーブラの強さの見積もりはまるで変わってしまいます。

ここで手がかりになるのが、悟空の発言以外の傍証です。とりわけ注目したいのが、ベジータの態度です。ダーブラが「セルと同じくらい」とされながらも、ベジータは自分が戦えば勝てると踏んでいます。この自信は、悟飯がダーブラと交戦している場面でのベジータの発言――悟飯について「ガキの頃のほうが強かったのではないか」という趣旨の見立て――からも裏づけられます。

引用元 ドラゴンボール 集英社

このベジータの読みを真に受けると、興味深い帰結が導かれます。もしダーブラが完全体セル、ましてやそれを上回る復活パワーアップセルと同等の強さだったとしたら、それに勝てると踏むベジータは、魔人ブウ編までの数年で、復活セルすら超える領域に達していたことになります。だが、さすがにそこまでの伸びを想定するのは無理があります。ベジータの自信は、ダーブラがもっと手の届く相手であることを示唆しているのです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

このベジータの発言が本当だとすれば、もしもダーブラが完全体セルやそれをさらに上回る強さを手に入れた復活後のセルと同等の強さだった場合、ベジータは魔人ブウ編までの間にそれ以上の強さになったことになります。しかし、さすがにそれはないのではないでしょうか?

ダーブラは悟空の想定以上の強さだった

話をさらにややこしくするのが、ダーブラの実際の強さが、悟空が当初見積もった「セルと同じくらい」よりも上だった、という点です。

引用元 ドラゴンボール 集英社

仮に悟空が最初からダーブラの実力を完全体セルと同等と想定していたとしましょう。その想定すら上回るのが本当のダーブラだとすれば、ダーブラは復活パワーアップセルさえ凌ぐ怪物ということになります。
だが、これは先ほどのベジータの自信と真っ向からぶつかります。復活セル超えの相手に「自分なら勝てる」と踏むベジータが、ブウ編までにそこまで成長したと考えるのは、やはり現実的ではありません。

決定的なのは、悟飯の戦いぶりです。鍛錬を怠ってすっかり錆びついていたとはいえ、悟飯はダーブラを相手に、押され気味ながらも互角に近い戦いを繰り広げています。
ここで悟飯のブランクの大きさを見落としてはいけません。セルゲームから魔人ブウ編まで、悟飯はおよそ七年もの間、戦士としての本格的な修行から遠ざかっていました。学業に打ち込み、グレートサイヤマンとして遊ぶ程度で、全盛期の鋭さはとうに鈍っていたのです。
その錆びついた悟飯が押され気味だったという事実は、ダーブラが現在の悟飯を少しだけ上回る程度の相手だったことを示しています。逆に言えば、全盛期の超サイヤ人2の悟飯であれば、相手にもならなかったはずです。

もしダーブラが完全体セルや復活セル級だったなら、この時点の悟飯もまたその領域にいたことになります。しかしそれは、ベジータの「ガキの頃のほうが強かった」という見立てと完全に矛盾してしまいます。セル編当時、超サイヤ人2として完全体セルを叩き伏せた全盛期の悟飯――その悟飯より、錆びついた現在の悟飯のほうが強いなどということは、ありえないのです。

ここから一つの結論が固まります。この時のダーブラの強さが、完全体セルや復活パワーアップセルと同等である、という解釈は成立しません。すべての発言と描写を矛盾なく並べようとすると、この線はきっぱり消えるのです。

ダーブラはセルジュニアくらいの強さ

では、どこに落とし込めば、登場人物たちの発言がすべて綺麗に整合するのでしょうか。私の見立ては、こうです。作中のダーブラの強さは、セルジュニアと同じくらいだったと考えられます。
この「セルジュニア級」という解像度に合わせると、これまでの違和感がすべて溶けていきます。

  • 悟空の当初の想定
    彼が言った「セルと同じくらい」は、おそらく完全体ではなく、第二形態のセルを指していたと考えるのが自然です。
    第二形態セルとセルジュニアはおおむね近い領域にあり、これなら「想定よりは少し上だったが、見当としては大きく外していない」という形で、悟空の見積もりとも齟齬がありません。
  • ベジータの自信
    セルゲームの折、セルジュニアと渡り合えるだけの力を持っていたベジータが、その後さらに研鑽を積んでブウ編を迎えている以上、セルジュニア級のダーブラに「自分なら勝てる」と踏むのは、まったく自然な判断です。実際に見る前も後も自信を崩さなかった理由が、これで説明できます。
  • 悟飯の描写
    錆びついていたとはいえ、元はセルジュニアを瞬殺できた超サイヤ人2の使い手です。
    その面影を残す悟飯が、セルジュニア級のダーブラと押され気味ながらも互角に近い勝負をした――この描写も、無理なく腑に落ちます。「ガキの頃のほうが強かった」というベジータの辛辣な評価とも、見事に噛み合います。

こうして、悟空・ベジータ・悟飯、三者の発言と戦闘描写のすべてが、一つの矛盾もなく一本の線でつながります。したがって、ダーブラと完全体セルを比較した場合の答えは明快です。セルのほうが強い。これが本記事の結論です。

ダーブラの本来の強さはどれくらい?

ここまでで作中のダーブラの強さは見えてきましたが、最後にもう一段、踏み込んでおきたい論点があります。それは、私たちが目にしたダーブラの強さは、ダーブラ本来の強さではない、という見落とされがちな事実です。
ダーブラの額には、Mの紋章がくっきりと刻まれています。これはバビディに洗脳され、操り人形にされた証です。そしてバビディの魔力は、ただ相手を操るだけではありません。

引用元 ドラゴンボール 集英社

配下の潜在能力を、本人の限界を超える水準まで引き出して強化します。これはダーブラに限った話ではなく、バビディの手口の根幹をなすものです。
たとえば地球の格闘家スポポビッチは、本来はミスター・サタンに敗れる程度の実力でしかありませんでしたが、バビディの強化を受けたことで、悟飯からサタン以上の実力を持っていると評されたビーデルを一方的に痛めつけるほどの怪物へと豹変しています。元の素質を問わず、操った者の力を底上げするのがバビディの魔法なのです。ダーブラもまた、この強化を施されたうえで戦場に立っていました。

つまり、これまで論じてきた「セルジュニア級」という値は、あくまでバビディに底上げされたダーブラの数字なのです。素のダーブラ――誰の手も借りない本来の彼は、作中で見せた強さよりも、確実に一段、低いところにいたことになります。魔界の王として君臨していた以上、相応の地力はあったはずですが、私たちが目撃した強さをそのまま本来のダーブラと見なすのは、明確な誤りだと言えます。

では、その本来の強さはどれほどだったのでしょうか。手がかりは乏しいですが、一つだけ確かな傍証があります。かの界王神が、ダーブラを恐れていた、という事実です。

引用元 ドラゴンボール 集英社

ここで、ある推論が頭をもたげます。界王神は自ら「フリーザを一撃で倒せる」と豪語した人物です。その界王神が恐れる相手なのだから、本来のダーブラもまたフリーザを上回る強さを持っていたのではないか――と。論理だけを追えば、そう繋げたくなります。

しかし、この推論はそのまま鵜呑みにはできません。問題は、界王神のフリーザ評価そのものが、はなはだ怪しいという点にあります。界王神は「フリーザを一撃」と豪語しながら、実際の戦いでは決して無双していません。彼の自己申告は、額面どおりに受け取るには根拠が薄すぎるのです。
つまり、「界王神が恐れた」→「フリーザ以上」という連鎖は、出発点である界王神のフリーザ認識が揺らいでいる以上、土台から不確かなものになってしまいます。

結局のところ、本来のダーブラの強さは、界王神が警戒する程度には強かった、とまでは言えても、「フリーザ以上」と断言するには証拠が足りません。ここは断定を避け、「界王神に恐れられる実力者ではあったが、その上限はぼかされている」と理解しておくのが、もっとも誠実な落としどころでしょう。

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戦闘力に表れない「石化」という脅威

純粋なパワーの比較ではセルに分があると結論づけましたが、ダーブラというキャラクターを語るうえで、もう一つ触れておかねばフェアではない要素があります。彼の固有能力、すなわち「石化」です。

ダーブラは、口から吐く唾を浴びせた相手を、たちまち石像へと変えてしまいます。作中ではピッコロやクリリンがこの餌食となり、戦線から完全に脱落させられました。これは、単純な戦闘力という物差しには決して乗ってこない種類の脅威です。
どれほど力で勝っていても、一瞬の油断で石にされれば、その時点で勝負は終わります。相性次第では、格上をも仕留めうる搦め手(からめて)なのです。

この点を踏まえると、「ダーブラはセルジュニア級」という結論は、あくまで真っ向勝負での地力を指したものだと補足しておくべきでしょう。実戦での危険度という意味では、ダーブラは数字以上に厄介な相手です。
フリーザやセルが純粋な戦闘能力で相手をねじ伏せる王道のボスだったのに対し、ダーブラは特殊能力で番狂わせを起こしうる、毛色の異なる強敵でした。地力では一歩譲っても、戦い方次第で侮れない――この“噛み合わせの妙”もまた、ダーブラとセルの強さ比べが尽きない理由の一つなのです。

まとめ

整理しましょう。作中で私たちが見たダーブラは、バビディに潜在能力を引き出された強化版であり、その強さはおおむねセルジュニア級でした。
悟空の「セルと同じくらい」は第二形態セルを指すと読めば矛盾せず、ベジータの自信も、悟飯との互角の攻防も、すべてこの解釈で一本に繋がります。ゆえに、完全体セルとの比較ではセルに軍配が上がります。

そして、その強化版ですらセルジュニア級だったということは、素のダーブラはさらに控えめな強さだったことを意味します。界王神が恐れる程度の実力者ではありましたが、「フリーザ以上」と胸を張れるかどうかは、界王神自身の当てにならない物差しに依存しており、断定はできません。

魔界の王という肩書きと、石化という厄介な能力ゆえに、ダーブラは実数以上に恐ろしく見えます。しかし発言と描写を丹念に突き合わせていくと、その強さの輪郭は、思いのほか冷静な位置に収まります。セルという、形態ごとに別人のように強さを変える相手を物差しにしてしまったがゆえに生まれた誤解――それを丁寧にほどいていくことこそ、この論争の一番の面白さなのです。

最後に強調しておきたいのは、この結論が「ダーブラは弱い」と切り捨てるものではない、という点です。並のZ戦士を圧倒する地力に、石化という反則級の搦め手を併せ持ち、しかもそれがバビディに底上げされた仮の姿にすぎません。
素のダーブラがどこまで強かったのかは、界王神という当てにならない証言者を通してしか窺えず、永遠に霧の中です。だからこそ、ファンの想像をかき立てる余地がいつまでも残ります。数値が消えた世界で、断片的な手がかりだけを頼りにキャラクターの強さを推理していく――その知的な遊びの楽しさを、ダーブラというキャラクターは今なお私たちに提供し続けてくれているのです。

コメント

  1. あえ より:

    ダーブラvsセルはDBの中でも最も議論になる話題ですよね
    議論を始める前に事実をまとめます、その方が楽なので

    ・悟空曰く、ダーブラはセルと同じくらい→思ったよりずっと強い
    ・ダーブラ戦の悟飯は超1(スパークの欠如、超2特有の気性の荒さの欠如)
    ・青年悟飯<少年悟飯
    ・ベジータ曰く、悟飯でも勝てない相手じゃない
    ・ベジータ>ダーブラ
    ・魔人ベジータ≧少年悟飯>洗脳前ベジータ

    以上の事実を踏まえて、議論をはじめましょうか

  2. あえ より:

    この議論の最大のポイントは
    悟空が言ったセルはどのセルなのか、でしょう

    普通に考えれば最後のセル、すなわち超完全体セルを指しますが
    悟空はそのセルと対峙していませんし
    仮に、超完全体セルの事を言っていたとしても
    それよりずっと強いダーブラを洗脳前ベジータが格下扱いするのは不自然

    よって超完全体セルのことではないのは確定的

    次に完全体セルですが、このセルにはいくつかの種類があります
    ウォーミングアップ時、トランクス戦、悟空戦、悟飯戦、フルパワー、巨大化です

    もし悟空がダーブラは自分が戦った時の完全体セルよりはずっと強い
    と思っての発言だったなら全ての辻褄が合います

    青年悟飯は少年悟飯よりは弱いとはいえ、セルゲーム時の悟空よりは強い
    その青年悟飯が悟空戦時の完全体セルと互角の戦いができても不思議ではないでしょう

  3. クズロット より:

    少年悟飯はベジータと悟空のアシストがあったとはいえ、気が半分で片腕が使えない状態でセルの攻撃を押し返して倒していましたよね。
    それくらい潜在能力が凄まじい彼ですから弱体化してもPセル並の力でダーブラもそのくらいでもしっくりくるんですよね〜。

    • キビト より:

      Pセルは少年悟飯を一発の気弾で気を半分以下まで下げましたが、ダーブラは青年悟飯に気弾一発を当てても大したダメージを与えられなかったので、それ無いんじゃないでしょうか?

  4.   より:

    普通に考えたら自分が対峙した時に一番強かった状態と比べるでしょ

    • ポパー より:

      特に指定がなければ、最後あるいは最強の状態を指していると考えるのが妥当

      だが悟空はPセルと対峙すらしていない

  5. 仲間 より:

    もう一つ条件をつけたほうがいいかも。
    武道会のときの悟飯の超2変身は実は間違いだったとか・・・
    ダーブラと戦ったときは一切スパークがないと言うこと自体がおかしいとは思ってる。
    忘れるとも思えないんだよね。
    そう考えると少年超1悟飯より劣っているということになり、ダーブラは少し上と考えるとただの完全体セルと同じくらいで戦闘描写も納得いく。
    結果 少年超1悟飯>青年超1悟飯 

    仮に青年超2悟飯だったら、普通にダーブラはPセル並でベジータの余裕がおかしいとなる。
    洗脳前のベジータは悟空より劣っているから更にその差は小さいはず。
    超2同士だとそれほど差はないようなので余裕はない。

    だから武道会の悟飯の描写がおかしいという結論もつけてもいいのでは?w

    • キビト より:

      悟飯がキビトにSSの壁を越えてやるみたいな発言してますし、ベジータも悟飯がSSの壁を超えたと発言しているので、その可能性は低いのではないでしょうか?

      ダーブラ戦の悟飯がSSな理由は、怒りが足りなかったとか(キビト戦はビーデルがスポポビッチに痛めつけられた事による怒りがあった)、キビトによる回復が足りなかったの何れかだと思います。

      ただダーブラ戦の悟飯は髪型自体はSS2なので、間をとってSS1.5だったと解釈してる人もいるみたいですね。

  6. 仲間 より:

    なるほどどちらともつかずに1.5とはちょうどいい解釈かもしれませんね。
    ビーデルに

  7. 仲間 より:

    あと当時の映画とテレビでは不自然なくらいスパークを入れなかったんですよね。
    だから超サイヤ人2未満というのは間違いのない状態なのはたしかかと。
    ダーブラの強さも下げず、セルも下げず、ちょうどいいですね。

  8. ひろゆき より:

    悟天と修行時超悟飯:前髪が二束、スパークなし
    キビト戦悟飯:スパークありで前髪が一束
    ダーブラ戦悟飯、界王神界での超悟飯:前髪が一束、スパークなし

    以上が事実です。こっから推察するとキビト戦は超2、悟天との修行時は超1なのは確定
    肝心のダーブラ戦ですが、超1のフルパワーってのはどうでしょうか?
    超1の壁をほぼ超えかけてはいるが超2にはなり切れていない状態。超1.5と同じみたいなもの

    こう考えるとダーブラが完全体セル以上だったとしても辻褄は合いそうな気がします

  9. 仲間 より:

    そうですね。やっぱりダーブラ戦を完全な超2にするのには無理がある。
    でも超1では矛盾があるし、ダーブラとはうまく戦えるレベルではない。
    超1.5でいいと思います。

  10. ばびでぃ より:

    ダーブラ戦悟飯は前髪が一束だから超2って言い張る人いるけど、ビーデルがスポポにボコられてる時に怒った悟飯が超1化してるけど、前髪は一束で全く同じ。
    よって悟飯は髪型では超1か超2かの区別はできない

    悟飯を超2と言い張る奴は、髪型以外で悟飯が超2だった証拠を提示しないといけない