なぜ、カカロットはクズロットなのか?

キャラクター
引用元 ドラゴンボール 集英社

孫悟空はドラゴンボールの言わずと知れた主人公です。
その性格は幼少期は純粋かつ奔放で時にはデリカシーに欠ける発言や行動で周囲を困惑させることもありましたが、その裏表のない性格は悟空が仲間たちに好かれる一因でもあったと思われます。

大人になり親になってからは流石に子供の頃のような考えなしの言動は少なくなりましたが、それでも他のキャラクターたちに比べると悪意や打算といった感情はないように思われます。
しかし、そんな悟空ですが物語の後半、特にセル編、ブウ編以降ではサイヤ人としての名前であるカカロットにかけて「クズロット」と言われることがあります。

悟空と「クズ」という言葉は本来無縁と思われるのですが、なぜそのように揶揄されてしまうのでしょうか?
本記事ではその理由について分析していきたいと思います。

理由1:父親失格な行動

悟空は第23回天下一武道会以降でチチと結婚し、その後悟飯が産まれたことで父親になります。
しかし、チチのセリフなどから推測されるに、悟空は世の中一般的な父親としての役割を果たせていなかったようです。

無職でニートな父親

まず、悟空は働いていません。
どうやら嫁の父親の牛魔王の財産で生活をしていたようですから、ヒモみたいな立場であったようです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

悟空一家は山奥で暮らしているようですから家賃などは発生しないでしょうし、近くで魚や獣をとってくるといったことはあったかもしれません。
しかし、悟空の日常の生活は自身の武道の修業が中心であり、お金を稼ぐといったことは一切なかったようです。
これでは言い訳の余地もなく「クズ」と言われてしまうのも無理がないかもしれません。

ピッコロの方が父親として適格?

さらに、致命的な行動となったのは、セルゲーム戦での悟飯を怒らせて覚醒させるために、セルに悟飯が痛めつけられるのを放置して、ピッコロに説教をくらったというのがあります。
ピッコロいわく悟飯は父親として「悟飯の気持ちをまったく理解できていない」とのことです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

確かに悟空はピッコロの言う通り、悟飯の覚醒に対して特に事前に悟飯となにかしらの打ち合わせをしていたわけではありませんし、さらにはサイヤ人としてのフェアな闘いを優先して、セルに貴重な仙豆を与えてしまっています。
これも、人によっては言い訳のできないクズ行為に移るかもしれません。むしろピッコロの方が悟飯の父親らしいのでは?いう人もいるくらいです。

悟飯の本当の気持ちとは?

しかし、よく考えるとピッコロもこの時の悟飯の本当の気持ちを理解はできていませんでした。
悟飯は確かにピッコロの言う通り、闘いの好きな性格ではありません。しかし、けしてピッコロが考えたていたように、セルにいたぶられている間悟空への非難の思いを持っていたわけではなく、むしろ悟空の期待に応えたいと考えていました。しかし、それができない自分に歯がゆい思いを感じていたのです。

そして結果的には悟空の思惑通り、悟飯はスーパーサイヤ人2に覚醒し、途中慢心して危機に陥りましたが最終的にはセルを倒すことに成功しています。
もし悟飯が覚醒しなかったらセルを倒すことができなかった可能性を考えれば結果的に悟空の判断は正しかったとも言えますし、人として悟飯を成長させるきっかけになったことを考えれば、一概に父親失格とはいえないのではないでしょうか?

理由2:ブウ編で達観してしまった悟空

もうひとつ悟空が「クズロット」と言われてしまうエピソードとして有名なのが、ブウ編での地球人の犠牲を仕方ないと受け入れてしまっていることですね。

バビディはピッコロや悟天、トランクスを連れてこなければ地球人を皆殺しにすると脅します。
それに対して、ピッコロは「オレが出ていく」と言い出します。
ピッコロとしては自分たちのために地球人が犠牲になるのは忍びないといった気持だったのでしょうが、そんなピッコロに対して悟空は冷静に「バカなことを言うな」と引き留めます。

引用元 ドラゴンボール 集英社

そして、さらに「殺された地球人や地上はドラゴンボールで元に戻るから」気にするなと諭します。
これは非常に冷静な判断ではあるものの昔の悟空だったら、あまり考えられなかったのではないでしょうか?
この時の悟空は立場的には死人であり、占いババによって1日だけ地上に戻ってきている状態です。
死人でありながらあの世でも意識と身体が与えられ、修業を続けてきたという経験が悟空の死生観を変え、冷静かつ達観した判断をさせるようになったのでしょう。
この悟空の変化が一部の読者によっては「クズ」的に見えてしまったのかもしれませんね。

理由3:老界王神に取引を持ち掛ける悟空

元々悟空は駆け引きや取引をするような人間ではありませんでした。
しかし上述している通り、セル編で死んでから悟空の価値観に変化がみられます。

それが原因かどうかは分かりませんが、悟空は老界王神と以前だったらありえないような取引を持ち掛けます。ブウを倒す協力を得るためになんとビーデルのおっぱいを老界王神に触らせる約束をしてしまうのです。
さらに、それを悟飯から非難されると対象をブルマにしてしまいます。

引用元 ドラゴンボール 集英社

元々悟空は性に対しては無頓着であったため、宇宙の平和を救えるならおっぱいや尻のひとつふたつ触らせるくらい何でもないだろうという価値観に関しては、それほど違和感があるわけではありません。
しかし、率先してそれを取引材料にするような狡猾さというか悪知恵はなかったはずです。

しかし、これに関しては界王神という宇宙全体を統括する立場でありながら人間の女性に欲情する老界王神も老界王神ですが。

とまあ、こういった行動も悟空がクズロットと言われてしまう要因のひとつになっているのは間違いないでしょうね。

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