ベジータはフリーザ軍の中でどれくらいのポジションだったのか?

キャラクター
引用元 ドラゴンボール 集英社

フリーザ軍には一般兵以外に幹部クラスの戦士が多数登場します。
ドラゴンボール原作内には出てくるキャラクターだけに絞っても、側近のザーボン、ドドリア、ベジータのライバルと評されていたキュイ、ギニュー特戦隊などがいます。
原作内には登場しない幹部も、惑星フリーザに残っていたり星を攻め落とす遠征に出ているなど、たくさんいるのでしょう。

そしてベジータもフリーザ軍の中では、おそらく幹部クラスのポジションにあったと思われます。
幹部であるキュイと互角の強さを持っていてライバルと言われていたこともありますが、実際に一般兵から「ベジータさま」と呼称されていたことから、それなりの階級あったことは想像できます。

しかし、ベジータは幹部クラスではあったものの実はフリーザ軍の中では比較的冷遇されていたのでは?思われる描写があるのです。
この記事では、フリーザ軍の中でのベジータ、そしてサイヤ人の立ち位置について考察していきたいと思います。

フリーザ軍本隊から1年以上かかる距離に遠征していたベジータ

ベジータが原作に初登場するのは、地球から遠く離れた惑星でナッパとともにラディッツの死を知り、地球に向かう事を決断するシーンです。
この頃はまだベジータのキャラクターが固まっていなかったのもあったのか、侵略している星の住民の腕を食っているという衝撃的な場面でした。

引用元 ドラゴンボール 集英社

ここで注目して欲しいのは、ベジータたちが約1年かけて地球に向かおうとしていることです。
つまり地球とベジータたちが攻めていた星は、フリーザ軍の丸型宇宙船で約1年かかる距離分離れていることになります。
次に地球と惑星フリーザNo.79までの距離はどれくらいかというと、なんと丸型宇宙船でたったの18日間分しか離れていないようです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

そして、地球とナメック星までの距離はブリーフ博士が丸型宇宙船を改造した宇宙船でたったの6日間分という事が分かっています。
これをまとめると、それぞれの星の間は以下のように距離が離れていると思われます。

・ベジータ達が攻めていた惑星
↓ 1年
・地球
↓6日
・ナメック星

・地球
↓18日
・惑星フリーザNo.79

ベジータたちが攻めていた惑星から惑星フリーザまでの具体的な距離がわかる描写は原作内にはありませんが、それぞれの星の位置関係から1年間以上かかる距離にあることは間違いないと思われます。
これを見て思うのは、ベジータたちってとんでもなく遠いところにある惑星を攻めていたんだなという事ではないでしょうか?

なぜベジータたちは遠い惑星を攻めていたのか?

ではなぜベジータたちはフリーザ軍本体からこんなにも距離が離れている惑星を攻めていたのでしょうか?
別にどこの星を攻めたていいでしょう?と思う人もいるかもしれません。

しかし、ベジータたちだって意味なく星を侵略していたわけではありません。
ラディッツの説明によれば、ベジータたちサイヤ人は価値のありそうな星を攻め落とした後、異星人に高値で売りつけているとのことです。
この異星人というのはおそらくフリーザのことを指していると思われますが、遠くの星に攻めるということは結果を出すまでに時間がかかるという事でもあります。
惑星フリーザNo.79とベジータたちが攻めていた星の正確な距離はわかりませんが、丸型宇宙船で1年分離れていたと仮定すると、星を攻め落としてフリーザに献上するまでにおよそ2年以上の時間がかかることになってしまいます。
これがフリーザNo.79の近くの星を中心に攻めていた場合は、すぐに結果を出して次の星を攻めに行くことができます。
つまり圧倒的に非効率なわけです。
実際にフリーザ軍のなかでも特に選りすぐられた戦士が集まったギニュー特戦隊は、ナメック星に来る前にヤードラット星を攻めていたようですが、3日でナメック星まで到着しています。

ナメック星と惑星フリーザNo.79との距離も正確にはわかりませんが、ブルマたちが地球を飛び立って34日後にナメック星に到着し、その後すぐにベジータもナメック星に到着していることから、それほど離れていないと思われます。少なくとも1か月以上かかる距離はないでしょう。
このことは、ベジータが地球でナメック星について話していたことを、フリーザ軍が通信機で傍受してからナメック星に向かって、ブルマやベジータがナメック星についた時点ではドラゴンボールをまだすべて集め終わっていなかったことからもわかります。

考えられる3つの理由

結果を出すには圧倒的に非効率でありながら、ベジータたちはなぜ遠くの星を攻めていたのか?という疑問に対して、以下の3つの理由が考えられます。

  • ベジータはあえて遠くの星を攻める一攫千金タイプだった
  • ベジータがフリーザ軍と関わりたくなくて、あえて遠くの星を攻めていた
  • フリーザがベジータたちサイヤ人に活躍の機会を与えないために、遠くの星を攻めさせていた

ベジータはあえて遠くの星を攻める一攫千金タイプだった

ひとつずつ検証していきましょう。
まず一つ目の「ベジータはあえて遠くの星を攻める一攫千金タイプだった」ですが、確かに遠くの星を攻めるのは非効率ではあるものの、攻めている星が移動時間にかかる労力に見合う価値があるのなら別です。
例えば近くの星を2年かけて10攻めた結果、100の報酬を得られたとしましょう。
その2年間でベジータたちはひとつの星しか攻められなかったとしても、その星にもの凄い価値があり、150の報酬が得られるとしたら、やる意味はあるでしょう。
これは可能性としてはあるものの原作内の描写からは読み取れる根拠はありません。

ベジータがフリーザ軍と関わりたくなくて、あえて遠くの星を攻めていた

次に「ベジータがフリーザ軍と関わりたくなくて、あえて遠くの星を攻めていた」というものですが、これは可能性としては低いと思われます。
まずベジータの性格としては、こんなネガティブな動機はふさわしくないというのもありますが、フリーザ軍としても意味なく、こんな非効率な星を攻めさせることはないと思われるからです。
また、ナメック星でのフリーザの発言を見る限り、ベジータたちが攻めていた惑星はフリーザの命令によって決まっていたようです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

つまりベジータの意思で、フリーザ軍の本体から離れた星を攻めていたわけではないことが分かります。

フリーザがベジータたちサイヤ人に活躍の機会を与えないために、遠くの星を攻めさせていた

最後は「フリーザがベジータたちサイヤ人に活躍の機会を与えないために、遠くの星を攻めさせていた」です。
これが一番可能性が高いと思われます。
前段で説明した通り、ベジータたち戦闘員の攻める星はフリーザの命令で決まっているようですので、フリーザがあえてベジータたちをフリーザ軍本体とはかなり距離の離れている惑星を攻めさせていたことになります。

その理由がベジータたちに活躍の機会を与えないため、というものです。
ベジータは幹部とはいえ、ザーボンやドドリア、キュイなど他の幹部連中との仲はあまりよさそうではありません。
種族としてのサイヤ人の生き残りは3人ですし、惑星ベジータを滅ぼされる以前から「フリーザにいいように使われていた」というベジータのセリフからも、サイヤ人がフリーザ軍の中で冷遇されていたことがうかがい知れます。
グルドからもサイヤ人は「低俗なサル野郎」と呼ばれていたことから、これがフリーザ軍の中でのサイヤ人の共通認識だったのかもしれません。

引用元 ドラゴンボール 集英社

つまり、ベジータたちサイヤ人はフリーザ軍の中で冷遇されていたため、結果を出すのに時間がかかる惑星に遠征に行かされていたのだと思われます。

しかし、下記の記事でも考察している通り、フリーザは単純な独裁者ではなく、有能な指揮官、統率者の面をもっています。

であれば、サイヤ人を冷遇していたからといって、軍にとって非効率な命令を下すことはないのではないでしょうか?
この疑問も、フリーザにとっては単純な非効率な命令ではなかったと考えれば解消されます。
「ベジータはあえて遠くの星を攻める一攫千金タイプだった」の段で検証しましたが、ベジータたちが攻めていた惑星は結果を出すまでに時間がかかるものの、非常に価値の高い星だったという可能性です。
ベジータたちの意思でこの星を攻めていた可能性低いもののフリーザの命令であればありえます。

しかし、いくら価値が高いといっても往復で2年以上もかかる場所です。
普通の幹部連中であればできればそんなところに行かされたくはないでしょう。
そこで抜擢されたのがフリーザ軍の中で冷遇されていたサイヤ人というわけです。
私たちの社会に例えるなら、会社の人事異動で辺境の国の支店に行かされるようなものでしょう。

ベジータはフリーザのお気に入りだったのでは?

ここまで考察してきてベジータたちサイヤ人はフリーザ軍の中では冷遇されていた。
だからこそ、本隊とは1年以上もかかる惑星に行かされていたということがわかりました。

しかし、ここで疑問がひとつあります。
ベジータはフリーザのお気に入りだったのでは?ということです。

引用元 ドラゴンボール 集英社

フリーザはベジータの才能を評価していて、わざわざベジータが星にいない時を狙って惑星ベジータを消滅させています。
さらに、「少しばかりフリーザ様から気に入られているからって」とも言われています。
しかし、ナメック星ではフリーザはベジータのことを「ベジータ」と呼び捨てにしており、「自分勝手」「もともとわたしを敬っていなかった」と散々な言われようです。
おそらくこれは、ベジータが子どものころはフリーザに目をかけてもらっていたが、成長し自我を持つようになってからはフリーザに対して反抗的な態度をとるようになっていったため、フリーザもベジータをあまりよく思わなくなってしまったのかもしれません。

このあたりを補完するストーリーとして、アニオリではありますが、フリーザがベジータを殺す直前に「キミだけは違うと思って、可愛がってやったのに」というセリフが追加されています。
このサイトでは原則的に原作のみの情報を基に考察しているため、アニオリのストーリーはこれ以上深掘りしませんが、なかなか興味深いセリフですね。
アニオリは基本原作に追いつくことを回避するための引き延ばしストーリーが多い中、キャラクターの背景を原作と矛盾しない形で表現しているのは評価できると思います。

結論としては、フリーザはもともとベジータのことを可愛がっていたが、大人になってからは可愛さ余って憎さ百倍的な感じであまりよく思っていなかったということなのでしょう。
さらにサイヤ人自体がフリーザ軍の他の幹部連中からもよく思われていなかったことから、ベジータたちサイヤ人をあえて遠くの惑星に遠征に行かせていたのだと思われます。

コメント