ドラゴンボールの主人公孫悟空の特徴のひとつといえばシッポですよね。
特に無印においてはシッポを戦闘に活かしたりしていました。天下一武道会ではシッポによってピンチを切り抜けた場面もありました。
しかし、なんといってもシッポといったらサイヤ人の大猿化です。
サイヤ人編以降でようやく明かされた悟空の出生の秘密とシッポや大猿化の仕組みですが、当初はなぜ悟空が満月を見ると大猿になるのかは謎のままでした。
作者の鳥山先生もピラフ城で悟空を大猿に変身させた時からサイヤ人編以降の構想があったとは思えません。
なので、これは完全な後付け設定なんでしょうけど、話の筋に矛盾がないきちんとした伏線回収になっているのがすごいですよね。
余談ですがピッコロは神様の分身で元々は一人の戦士でしたが、実はナメック星人で天下一武道会で二人がしゃべっていた言葉がナメック語だったというのも、もちろん後付け設定なんでしょうけど、個人的には大好きな伏線回収です。
話が反れてしまいましたが、そんなサイヤ人の特徴でもあるシッポは当然のことながら、悟空の子供でもある悟飯にも遺伝しています。
しかし、不思議なことに同じく悟空の子供である悟天やベジータとブルマの子どもであるトランクスにはシッポが生えている様子がありません。
これはどういうことでしょうか?
インターネット上では様々な説が提示されていて、いくつか代表的なものを取り上げると下記になります。
- 大猿パワーを取り込んだことでシッポが生えなくなった
- スーパーサイヤ人になったのでシッポが不要になった
- 生まれつき生えていなかった
正直どれもこじつけ感がぬぐえないですね。
そもそもこんなこじつけ理論がネット上にまことしやかに語られているのは、ドラゴンボールの原作内では悟天やトランクスのシッポがない理由が説明されていないからというのもあります。
そのため、言ったもん勝ち状態でになってしまっているんでしょう。
そこで今回は私から新たな説を提示したいと思います。
それがタイトルにもある通り、「ブルマやチチが定期的にシッポを切っている」からというものです。
その根拠として以下のシーンがあります。
人造人間19号、20号が現れる直前、ブルマが赤ん坊のトランクスを連れてクリリンたちのところにくるという場面です。
ここでクリリンがブルマに対して「この子のシッポは?切っちゃったんすか?」と聞いています。
この質問に対してブルマは肯定も否定もしませんでしたが、原作内で「シッポを切る」という行為について言及されているのです。
もし生まれつきシッポが生えていなかったのならそう答えればいいだけです。
回答をしなかったという事はブルマはシッポを切ったという事を暗に認めたとも取れます。
そもそも悟天の兄弟である悟飯に幼少期からシッポが生えていたことから、地球人とサイヤ人の混血はシッポを発現する、つまり優性遺伝の可能性が高いと思われます。
ではなぜブルマやチチは悟天、トランクスのシッポを定期的に切っているのでしょうか?
その理由は「日常生活を送るのにシッポは邪魔」という点に集約されると思います。
悟飯は幼少期の頃はシッポが生えている描写がありましたが、3歳にしてサイヤ人の子どもであるという理由で叔父であるラディッツに誘拐され、地球の命運をかけた戦いに巻き込まれ危険な目に遭ってきました。
母親のチチからしたら、サイヤ人の象徴であるシッポに対していい印象は当然持っていないことでしょう。
それであれば、弟の悟天にはせめて普通の人生を歩んで欲しいという親心でシッポを切るというのは理解できます。その時点では父親である悟空も他界していましたので、なおさらです。
ではブルマの場合はどうでしょうか?
ブルマにはチチのようなサイヤ人に対しての個人的な想いはないでしょうが、都会育ちというところでチチとは別の事情があります。
都会で多くの地球人と一緒に生活を送っていくことを考えたらシッポの生えた子供というのは好奇な目で見られる可能性があります。
生まれもった身体的特質を本人も社会も受け入れて差別なく暮らせるようになるべきという社会的通念はひとまず置いておくとして、都会育ちのブルマがそのように考えたとしても不思議ではありません。
このような理由から悟天、トランクスにはシッポが生えている描写がないと考えられるのですが、知っての通り悟天の兄である悟飯や、トランクスの父親のベジータも人造人間編以降でシッポが生えている描写がないのです。
この事実はどう考えればいいのでしょうか?
正確には悟飯はベジータ戦で大猿に変身した際にベジータに気円斬でシッポを切られてから、ベジータも同じくこの戦いの際にヤジロベーにシッポを切られてから、その後シッポが生えている描写がありません。
悟空や悟飯のシッポ切れてから再び生えてくるまでの期間は、およそ1年程度と思われます。
人造人間編でフリーザ親子が襲来する前までに1年以上の期間が経過している描写がありますので、通常であればこの間に二人ともシッポが生えてきていなくてはおかしいことになります。
結論から言うと、悟飯もベジータも定期的にシッポを切るようになったと考えるのが妥当でしょう。
その理由として悟飯はナメック星からの帰還後は日常に戻りお受験勉強生活に入っている描写がありました。
つまり悟天と同様にチチの指導で日常生活に必要のないシッポを切るようにしたのでしょう。
魔人ブウ編では高校生になっていますので、周りから目立ちたくないという意図からもシッポを切るのは理解できます。
しかし、悟飯はそれでいいとしてもサイヤ人としての誇りを持っているベジータは、その象徴であるシッポをわざわざ切るわけないと考える人もいると思います。
ベジータがサイヤ人の誇りを持っていることは確かでしょう。しかしシッポに対してはどうでしょうか?
ベジータは悟空と地球で戦った時に大猿に変身しています。その時にこんな発言をしています。
サイヤ人に誇りを持っているはずのベジータがその象徴である大猿化のことを、どういうわけか「醜くてイヤ」だと認識しているのです。
これはおそらくベジータがフリーザ軍に所属しているからだと思われます。
ナメック星でギニュー特戦隊のグルドは死ぬ直前にこんなことを言っています。
「低俗なサル野郎」とは辛らつですね。
しかし、これはグルドだけの認識ではないはずです。もちろん面と向かってベジータやナッパに対してこんな言葉を投げかけられる者は少ないと思いますが、おそらくフリーザ軍全体の中でのサイヤ人の共通認識だったのでしょう。
そしてその「低俗なサル野郎」の象徴が大猿であり、シッポであるわけですから、サイヤ人の誇りとは関係なくベジータにとってシッポに対して内心コンプレックスを抱いていたとしてもおかしくありません。
さらに、悟空がスーパーサイヤ人になってフリーザを倒したという事実を悟飯から聞かされます。
当たり前ですが悟空は大猿の力に頼ることなくフリーザを倒していますし、シッポを失っています。
悟空を超えたいベジータにとっては、スーパーサイヤ人を目指さないといけないわけですから、大猿化は無価値ですし、シッポも当然必要ありません。
つまりベジータは悟飯たちとは違う理由からシッポを切ったということになります。
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サイヤ人の尻尾は一度根本から抜けるともう生えてこない